実験群の患者に自宅で愛用している見当識維持効果のある物品(カレンダー・時計・ラジオ・携帯電話)とリラックス効果のある物品(タオル・写真など)の持ち込みを依頼した。ニーチャム混乱・錯乱スケールを用いてスコア付けをし、24点以下をせん妄発症とした。対照群は207名、実験群は69名であった。せん妄発症患者は、対照群89名、実験群22名であった。私物全体、携帯電話、タオルの持ち込みとせん妄発症者数に有意な関連はなかったが、時計を持ち込んだ患者のせん妄発症が有意に少なかった(p=0.040)。
伊藤優花 吉田真子 浪岡奈々恵 小野寺智美 畑中あさ子 中村令子