回復期の脳血管障害患者に対するナラティブ・アプローチを実施した看護師が、臨床での活用可能性と課題をどのように認識しているかを明らかにした。看護師は、ナラティブ・アプローチにより患者が体験を語ることで自身の思いを整理する機会になったと感じていた。看護師自身も、患者の思いをより深く理解して対処方法を検討できた、目標の共有により信頼関係を深めることができたなどのケアへの有益性を感じていた。臨床での活用上の課題として「実施のタイミング」「時間的制約」「情報の共有化とスタッフの確保」についての検討が必要であることが明らかになった。
日本看護研究学会誌36(3)
中村令子 藤田あけみ 渡邊知子 荒木美智子 石鍋圭子