その他

基本情報

氏名 小野木 弘志
氏名(カナ) オノギ ヒロシ
氏名(英語) Onogi Hiroshi
所属 健康科学部 保健看護学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「精神科入院病棟における廃棄薬の要因検討」

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

201903

発表学会等の名称

日本薬学会第139回年会(千葉)

概要

【目的】薬の飲み残しや多剤併用による残薬に関する多くの報告があるにも関わらず、実際に廃棄される薬の報告は少ない。本研究では精神科入院病棟(児童思春期病棟、静養病棟、急性期病棟)で廃棄される薬の種類や要因を検討した。
【方法】精神科入院病棟(児童思春期病棟、静養病棟、急性期病棟)で廃棄される薬について、個数、種類、要因等を1か月間調査し、病棟毎に集計・比較した。
【結果】廃棄薬は中枢神経作用薬、消化器系作用薬、抗炎症・鎮痛・抗アレルギー薬の順に多く、そのうち中枢神経作用薬は抗精神病薬、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬の順に多かった。病棟別比較の結果、急性期病棟では中枢神経作用薬の廃棄が多く、静養病棟では中枢神経作用薬と消化器系作用薬の廃棄割合が同程度であった。児童思春期病棟では他の病棟に比べ抗炎症・鎮痛・抗アレルギー薬の廃棄が多かった。廃棄要因として急性期病棟及び児童思春期病棟では症状変化による処方薬の服用中止指示や退院に伴う服用中止指示によるものが多かった。
【考察】急性期病棟及び児童思春期病棟では症状変化や服薬拒否、退院などが理由の廃棄薬が多く、静養病棟における消化器系作用薬は日々の排便状況により除剤・廃棄される例が多いなど、廃棄薬の要因は多岐にわたることが明らかとなった。薬剤師は様々な患者情報を収集・医療従事者間で共有し、処方設計を提案、患者への十分な説明を行うことで、薬物治療の最適化をはかり廃棄薬の減少に努める必要がある。
【謝辞】本研究は、東北福祉大学特別研究助成(平成28~29年)を受けて行われた研究成果である。
小野木弘志、佐藤慎、菊池恒明