東北6県の社会福祉士会を対象に実習指導者養成の現状と課題を明らかにすることを目的とし,各県士会の会長や実習指導委員会の責任者に対して半構造化インタビューを通じて,実習指導者養成の取り組みと課題を調査した.SCATを用いた質的分析により,実習指導委員会の設置・未設置が指導の在り方に与える影響を探った.設置県では【活発な委員会活動】【連携や情報共有の体制構築】【フォローアップの必要性】【実習指導の課題が明確化】の4カテゴリーを生成され,活発な委員会活動や連携の重要性が浮かび上がった.未設置県では【人的環境的な障壁】【実習業務は必要との理解】【他県や養成校との連携】の3カテゴリーを生成され,人的・環境的な障壁が課題として顕在化した.
本研究は,今後の実習指導者養成の充実に向けた課題解決の一助となることが期待され,東北6県社会福祉士会の実習指導形態のあり方に対する示唆を得られた.