(概要)特養における支援で重要となるのが「認知症ケア」である。施設内では、介護や医療の視点からのケアが一般的である。直接的なケアだけでなく、そのケアを担うケアチームの構成やフォロー、施設内マネジメントの実施など、施設の生活相談員にはソーシャルワークの視点からの支援が求められる。そのような視点を持ち、施設内に相談援助を専門とする部門を立ち上げ、ケア部門との両輪で施設内の様々な支援にあたることが「入所者の最善の利益」につながるのである。本稿では、認知症の重度化が進むA特養内での取り組みを紹介し、相談部門がどう関わっていったのかをレジデンシャル・ソーシャルワークに視点から検証していったものである。