本研究では、障害者支援施設の知的障害者を対象とした。その理由として、コミュニケーションや意思決定等において支援が必要な利用者が多く、施設における「当事者主体のソーシャルワークによる支援」を最も必要とする対象であるからである。しかしながら、障害者支援施設におけるソーシャルワーク実践の報告は少なく、重度・高齢化した現状において効果的な支援を展開できずにいる施設が多い(芳賀:2025)。この現状を踏まえて、施設における効果的な支援モデルは何かを検討していく。
研究方法として、プログラム評価の理論と方法論(Rossi et al. =2005)に基づいたCD-TEP法(大島ほか:2019)を援用し研究を進めて行く。その内容はプログラム理論(Theory)と、エビデンス(Evidence)、実践(Practice)との円環的対話(Circular Dialogue)を通じて、実践家や当事者など関係者が協働で、EBPを含む「効果モデル」(EBP効果モデル)構築を目ざす形成的評価のアプローチ法となる。
今回、プログラム理論に基づくロジックモデルを作成し、必要な取り組みや効果的援助要素を抽出した流れについての報告となる。
先ず、ロジックモデルを作成するために、現在までに調べられている研究報告を把握するために文献検討を行った。先行研究レビューについては「障害者支援施設、レジデンシャル・ソーシャルワーク、意思決定支援」等のkeywordについて、国内外の先行研究、関係省庁の資料の調査を論文検索サイト(CiNii,J-stage,Google Scholar)・ハンドサーチにて関連する論文等を選定し、文献検討を行い障害者支援施設におけるRSWを整理した(芳賀:2025)。そこで得られた知見を基に予備調査を実施し、予備調査で得られた①支援ゴールとインパクト理論、②プロセス理論を基にインタビューガイドを作成し、GP事例調査(5法人)を行い、そこから③効果的援助要素リストを作成した。次回以降に、④評価ツール、⑤実施マニュアルの作成を行い、効果的な支援モデルの開発を目指す。