その他

基本情報

氏名 芳賀 恭司
氏名(カナ) ハガ キョウジ
氏名(英語) Haga Kyoji
所属 総合福祉部 社会福祉学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「災害公営住宅入居者の孤立予防に向けた8年間の実践の成果と課題」ーA市B地区支援者のグループインタビューからの質的分析ー(学会発表)

単著・共著の別

共著

発行又は発表の年月

202307

発表学会等の名称

日本ソーシャルワーク学会 第40回大会

概要

本研究ではA市B地区の住宅を対象とした。選定理由として、B地区はA市が整備した住宅の中で最も高齢化率の高い地区であるが、住宅住民がB地区の既存の町内会に加入したことで、被災者と地域住民の活動が円滑に行えた地域とされているからである。
調査は、住宅の被災者支援へ携わった地域関係者(民生委員・町内会長兼地区社協会長)や専門職(包括所長・居宅ケアマネ・社協)、計5名に対し、①「地域での活動内容」、②「災害公営住宅を含む地域の課題」、③「震災後から現在まで、災害公営住宅を含む地域はどのような課題や問題を抱えていましたか、またそれらに対してこれまでどういう取り組みをされてきましたか」、④「これまでの取り組みをどのように評価されますか」、⑤「震災後から現在までのご経験から、また地域における高齢者支援という視点から今後に伝えていきたい、生かしていきたい教訓」についてフォーカスグループインタビューを実施(120分)した。インタビュー内容は録音し、逐語録を作成し、安梅(2001、2010)を参考に質的分析を行った。

考 察
 B地区の支援者は、互いに連携しあい、被災者を特別扱いせず地区内の高齢者と同じく受入れ支援を行っていた。支援者は孤立孤独の解消に向けて連携し、個別ケアを中心に被災者のニーズを優先する支援を展開した結果、被災者と既存の住民が共に活動するグループが発足した。発足して8年目を迎えた本年、被災者支援の枠組みから卒業し、新たにセルフヘルプグループとして活動を継続している。
一方、震災後12年の歳月が経過する中で、行政による被災者支援は自立に向けた施策が多く打ち出され、高齢化する被災者が困惑するに現状となっている。その中で、改めて孤立に関する課題が明らかになるも、地区内の支援はやや停滞ぎみの様相を呈している。
支援者は試行錯誤した8年を振り返り、新たな不安と向き合いながらも支援は途上であると認識し、寄り添い当事者本位の支援を展開して行くことを誓っている。