【目的】 島嶼地域住民のサクセスフル・エイジング実現に資するべく,主観的健康感とライフスタイル要因との関連を詳細に検討する。【【結果】 Fisherの直接確率法による解析の結果,主観的健康感と,基本属性の「1年以内の入院」「2 ヶ月以内の通院」,社会関連性指標の「社会に対する貢献力」,ソーシャル・サポート(受領)の「気を配ったり,思いやったりしてくれる人」「くつろいだ気分にしてくれる人」,ソーシャル・サポート(提供)の「くつろいだ気分にする」,楽観主義尺度の「自分の将来に対しては非常に楽観的である」,生活満足度尺度Kの「人生は他人に比べて恵まれていた」「人生をふりかえってみて満足できる」「物事を深刻に考える」「今の生活に不幸せなことがある」「小さなことを気にするようになった」「去年と同じように元気」「以前よりも役に立たなくなった」「生きることは大変厳しい」の計15項目との間に有意な関連が確認された。 主観的健康感を目的変数,単変量解析により有意な関連が確認された各項目を説明変数として多変量ロジスティック回帰分析をおこなった結果,「2 ヶ月以内の通院」「くつろいだ気分にしてくれる人」「自分の将来に対しては非常に楽観的である」「人生は他人に比べて恵まれていた」「小さなことを気にするようになった」「去年と同じように元気」の計6項目が独立性の高い変数として選択された。【結論】 主観的健康感には「身体的健康の良否」「サポートの状況」「性格特性」「自己効力感」「自身の老いへの評価」が影響していることが明らかとなった。したがって,島嶼地域住民の主観的健康感の維持および向上には,以上に配慮した実践の励行が求められる。
山下匡将、
村山くみ、宮本正央、小関久恵、嘉村藍、竹内夕紀子、古川奨、大月和彦、志水幸