本研究の目的は、社会参加活動をしている老年期にある人の生活行動の変化を5年間で比較検討し、変化を明らかにすることにある。2009年~2013年度までのシニア大学参加者を対象とした調査を比較検討した結果、定職への従事、規則的な生活、毎日の朝食摂取が減少していることが明らかとなった。食事回数の減少はライフスタイルの変化に伴い生じる可能性が指摘されていることから規則的な生活状況の低下による影響が懸念される。近年、高齢者の食生活の乱れが問題視されており、特に一人暮らし高齢者においてその傾向が顕著であるとの報告もなされている。健康維持にとって食事は欠くことのできない重要な要素の一つであり、今後は、食生活に目を向けた健康指導をより重視していく必要がある。
pp.59-64
百瀬ちどり、畔上一代、村山くみ