本研究は、介護保険施設職員の就労実態を多方面的な調査により、現在の終了状況を把握し、福祉・介護分野の就労環境の見直しに関する示唆を得ることを目的とし、介護保険施設を対象とした質問紙調査の結果を分析したものである。分析の結果、①職場や仕事に対する満足感は給与や諸手当に対する満足感と一致する、②職場のソーシャルサポート機能では、上司のサポートより、同僚からのサポートの不足が非満足群で強い、③満足群、非満足群ともにうつ傾向が看守された。以上の結果から、質の高いケアを提供するためにも、介護保険施設職員の職場環境の改善は高齢化が進行するわが国において急務の課題であるといえる。
百瀬ちどり、村山くみ