スピーキング力の向上を目指すためには,スピーキング力だけでなく学習情意も同時に高めていく必要がある。本研究では英語初級レベルの大学生を対象に,4コマ程度の絵描写タスクを用いたスピーキング指導を3か月間実施し,スピーキングと情意の変化に対する自己評価及び指導上の教材や各活動に対する効果度評価を調査した。スピーキングでは82%の参加者が変化を感じており,ストーリー構成レベルを中心に単語・表現レベル,文レベル,スピーキングレベルでの上達を認識している一方で,即興性について困難さを感じていることが分かった。情意面では楽しさ・意欲喚起を中心に全参加者が変化を感じていた。また,英語や学習方法についての気づきがあったことが示された。指導上の教材や各活動はいずれも好意的に受け入れられていたが,特に「絵を使った教材」が高評価を得た。本実践は英語に対する抵抗感を下げるには一定の効果があると思われる。