本稿は、福島県社会福祉協議会が実施した「コロナ特例貸付利用者のくらしに関するアンケート」の結果に基づき、制度の効果と利用者の課題を考察したものである。
調査の結果、利用者の97.6%が「役に立った」と回答しており、コロナ特例貸付は金銭面・相談支援の両面で極めて高い効果があったと評価できる。一方で、相談体制には課題が残る。相談窓口として「社会福祉協議会」の認知度は約7割と高いが、自立相談支援機関や地域包括支援センター等の認知度は1割程度に留まっている。
特に深刻なのは一人暮らし(単独)世帯の状況である。単独世帯はそれ以外の世帯に比べ、相談窓口の認知度が総じて低い。また、困った時に「家族・親戚」を頼れる割合が大幅に低く、友人を頼る傾向があるものの、誰にも相談できない孤立状態にあることが示唆された。今後は、単独世帯への窓口周知と、実際に相談しやすい環境の構築、さらには健康不安や返済不安へのきめ細かな対応が求められる。