本稿では他の調査と比較することで、「復興公営住宅入居者実態調査結果調査」の特徴を考察する。分析の結果、復興公営住宅の居住者は単身者が多く、高齢化が進んでいることが明らかとなった。また、生活支援相談員が訪問できた世帯の入居者のほとんどが近所の住民同士が協力し合える環境が構築できていることがうかがえる。
一方、生活支援相談員の訪問を拒否している世帯が一定数存在し、その世帯が近状付き合いを拒絶し、孤独となっている可能性がある。復興公営住宅の入居者は一人暮らしの高齢者が多いことから、近所との交流を拒否し、行政や社会福祉協議会等の支援も拒否しているとなると適切な医療や福祉が提供できず、孤独死のリスクすらあるといえる。訪問を拒否している世帯へどのように働きかけていくのかが今後の大きな課題と言える。