厚生労働省は「医療従事者の需給に関する検討会」を立ち上げ、地域間の医師偏在の解消等を通じ、地域における医療提供体制を確保することを目的に医療従事者の需給に関する検討を行っている。医療従事者の需給を検討する上で重要になるのが「必要医師数」の推計であるが問題点が多い。
また、「医療従事者の需給に関する検討会」では、新たな指標として「医師偏在指標」が検討された。「医療法及び医師法の一部を改正する法律」が成立し、医療計画において、二次医療圏ごとに新たに国が定める「医師偏在指標」を踏まえた医師の確保数の目標・対策を含む「医師確保計画」を策定することが掲げられた。しかしながら、「医師偏在指標」問題点が多い。
本稿では非常に分かりにくい「必要医師数」の推計方法および「医師偏在指標」を解説するとともに問題点を考察した。
pp.39-48