論文

基本情報

氏名 佐藤 英仁
氏名(カナ) サトウ ヒデノリ
氏名(英語) Sato Hidenori
所属 総合福祉学部 福祉行政学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

「看護師の健康を害する要因―「2010年度看護職員労働実態調査」から明らかに―」

単著・共著の別

単著

概要

本稿の目的は、「2010年度看護職員労働実態調査」によって得られた個票データを統計的手法を用いて分析し、看護師の健康を害する要因を明らかにすることである。
そこで本稿では、「健康状態」を被説明変数にし、9つの説明変数を用いた2つの推計モデルを考え、回帰分析を行った。
その結果、ミス・ニアミスについては有意な推計値は得られなかった。しかしながら、年齢、性別、時間外労働、休憩、休暇、ストレス、やりがいについては、有意にプラスの推計値が得られた。また、看護の提供度に関しては、有意にマイナスの推計値が得られた。また、標準化したデータで推計した結果、年齢、やりがい、ストレスの3つの説明変数の係数が特に大きくなった。
以上の結果から導き出される政策的インプリケーションとして、看護師の健康状態を改善するためには、患者や家族からのクレームに対するストレスを軽減することが有効であるといえる。そのためには、クレームを処理する部署の確立やMSWなど多職種との連携が必要である。また、看護師の仕事に対するやりがいを見いだせるようにすることが看護師の健康状態の改善にもつながるため、研修や勉強会等を充実させ、看護の仕事の重要性を再認識するような機会を定期的に設けることが有効である。
看護師の健康状態を改善するためには、時間外労働を減らすことや休暇や休憩を増やすことも有効である。1人当たりの労働時間を減らすためには、十分な人材確保が必要である。
pp.4-12

発表雑誌等の名称

『月刊国民医療』(No.323)

発行又は発表の年月

201501