論文

基本情報

氏名 佐藤 英仁
氏名(カナ) サトウ ヒデノリ
氏名(英語) Sato Hidenori
所属 総合福祉学部 福祉行政学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

「医師の離職意識を高める要因」

単著・共著の別

単著

概要

本稿の目的は、「勤務医労働実態調査2012」によって得られた個票データを統計的手法を用いて分析し、医師の「離職意識」を高める要因を明らかにすることである。そこで本稿では、「離職意識」を被説明変数にし、10つの説明変数を用いた4つの推計モデルを考え、回帰分析を行った。
その結果、年齢、未婚・既婚、時間外労働、休暇日数については有意な推計値は得られなかった。しかしながら、性別、宿直回数、休憩、健康状態については、有意にプラスの推計値が得られた。また、労働時間、ストレスに関しては、有意にマイナスの推計値が得られた。ただし、労働時間に関しては偏回帰係数の値がゼロに近いものであった。
以上の結果から導き出される政策的インプリケーションとして、医師の離職意識を改善するためには、1日の労働時間や時間外労働を減らしたり休暇を増やすことよりも、宿直回数を減少させることが有効である。また、毎日の休憩時間をきちんと確保できるような環境を作ることが有効である。さらに、医師の健康状態の改善を図ることも離職意識の改善につながる。医師の離職に関して政府が行っている対策は女性医師への対策に限られているが、本稿の分析でも女性医師への対策の重要性が確認された。
pp.18-26

発表雑誌等の名称

『月刊国民医療』(No.320)

発行又は発表の年月

201409