本書では、まず医療従事者の不足の現状をOECDデータを用いて確認した。第1章では医師不足について、第2章では看護師不足についてそれぞれ見た。OECDデータを用いる比較することの欠点として、経済水準や医療需要の大きく異なる国を比較の対象としてしまう点が挙げられる。本書はクラスター分析を用いて、比較の対象を吟味してから分析している点が大きな特徴である。第3章、第4章では医師の労働環境に注目した。第3章では医師の健康を害する要因を、第4章では医師の離職意識を高める要因をそれぞれ統計的手法を用いて分析した。第5章、第6章では看護師の労働環境に注目した。第5章では看護師の健康を害する要因を、第6章では看護師の離職意識を高める要因をそれぞれ統計的手法を用いて分析した。
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