「篠原助市の個性教育観」
戦前における最も著名な教育学者の篠原助市を取り上げ、大正新教育時の様々な個性教育論と篠原のそれとを比較検討した。個性は能力の差異性であり、遺伝によって形成されるとする論が主流であったのに対し、篠原は個性を不可分で統一的なものとしてとらえ、「自然の理性化」と「調和的発展」の理論に基づき個性は教育によって形成されるという立場をとり、その独創的な個性教育論を展開した。その理論は今日の個性教育を考える上でも示唆に富む提言を含んでいる。pp.251-261
『研究報告第39集』尚絧女学院短期大学251頁~261頁