「福井県三国小学校の『自発教育』にみる第一次新教育運動の特質」
第一次新教育運動の特質を福井県三国小学校の実践事例において検討した。三国小の実績は校長の三好得恵の教育思想に負うところが大きい。「自発教育」自学も三好の因縁交渉という仏教的な性格をもつ理論から導き出された教育方法である。また、三好の子ども観にも宗教的な側面が顕著である。これらの点から、新教育を支えた教育理論や思想は、欧米の新教育の焼き直しではなく、日本の伝統的な仏教的な思想や理論に基づくものであったことを明らかにした。
『研究集録第12号』東北大学教育学部