社会福祉教育においても原論と歴史は重要科目であり、原論にも関東大震災が社会事業との関連で指摘される。そこで日本の社会福祉史研究で社会事業の枠組みの創出過程と関東大震災との関連性を検討した。その結果、戦前の研究において古代の実践から解釈として「社会事業」の名称使用が確認できた。戦後の社会福祉史研究の牽引者・吉田久一が社会事業史研究の枠組設定から対象認識、研究方法論に至るまで追究したが、その吉田が一連の著作において米騒動に次いで関東大震災が社会事業の成立要因である点を指摘している点を確認した。
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