「福田徳三の議論形成にみる社会福祉の基本的視点の検討ー関東大震災前後に着目してー」
社会福祉教育では生活や労働は基礎的概念であり、戦前日本ではいち早く生存権と社会政策の必要性を議論した福田徳三を取り上げた。福田徳三の議論に労働に対する保護の問題として社会政策の介入の必要性を確認し、間接的生存権としての労働権と文化価値としての生存権が社会権の一環である点を確認した。なお福田徳三の議論に「社会の発見」への議論は知られているが、そこには生活理解と人格への眼差しが重要であった。特に関東大震災後の議論では、「人間復興」を論じた点を明らかにした。pp.169ー186
『感性福祉研究所年報』第17号