東北三県凶作時の生活実相の史資料は十分に明らかにされておらず、また先行研究でもその生活は、後にまとめられた行政史資料によるもので当時の生活実相は詳らかにされている史資料はない。そこで、東北凶作の翌年にどのような生活実相であり、どのような対応が取られ、その論調がどのうようなものであったかについて『河北新報』1906年1月の報道を確認して、その翻刻作業をおこなった。その結果151件の記事を確認することが出来た。その結果、新聞報道を時系列に並べていくと、そこには東北三県凶作に関連して困窮情況としての生活実態や政治介入の有無と関与を求める言動、経済情勢、義援金募集や図書寄贈、国内外の慈善事業など詳述されている様子が確認できた。