少子高齢化及び人口減少の時代を迎え、東北においては地域社会の疲弊が顕著となってきている。社会福祉法が改正され、政策化された地域福祉の新たな展開として、包括的支援体制の構築に向けた取組みが始まりつつある。こうした社会的な状況の中で、社会福祉関係者等はどのように受け止め、何をなすべきなのか、どのように行動し役割を果たすべきなのかを議論する。
社会福祉関係者にとって、現在の社会状況の変化やこれに対応した度重なる制度改正は、その展開の早さもさることながら、内容面の多様さにも戸惑いを隠せず、今後に向けた役割について期待されていることを実感しながらも、必ずしも十分に展望を持てているとは言いがたい。新たな状況に対処するに当たって、福祉サービス利用者や地域住民が、戸惑いや混乱に至るような事態を避けるために、様々な配慮や工夫を凝らす必要があるほか、基本的に現状から何がどのように変わったのかを、分かりやすく説明できる必要もある。
このため、現在進められている制度改正に対応して、地域の機能力の再生と向上、地方公共団体における福祉行財政の再編、新たな社会福祉法人制度の創設、包括的支援体制の実施などに、社会福祉の現場や福祉専門職は、新たな時代に対応できるよう、発展的に福祉専門職が抱えている課題を具体的に取り上げる必要がある点について、地域福祉実践事例と福祉専門職のあり方について基調報告を行い、この二点から分科会を設定して議論した。
