その他

基本情報

氏名 都築 光一
氏名(カナ) ツヅキ コウイチ
氏名(英語) Tsuzuki Koichi
所属 総合福祉学部 福祉行政学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

災害時の福祉対応のあり方に関する検討- 被災者や福祉の当事者から見た福祉支援のあり方 -

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202109

発表学会等の名称

日本社会福祉学会第69回大会 特定課題セッションー災害福祉ー

概要

災害時における福祉対応のあり方に関し、東日本大震災やその後の集中豪雨の事例から、当事者の視点から検討する。
災害が発生し、「被災者」が大量に出現すると、様々な取組みがなされる。平成 23 年度 および 24 年度日本社会福祉系学会連合『研究活動報告書』等によればその 取組みは、はじめは、「被災者」として支援の対象とされる。この段階は、医療を始め、様々な支援活動が、専門的かつ組織的に行われ、「被災者」も避難所等において、慣れない避難生活に戸惑いながら毎日を送る。この避難生活を送る期間中、多くの「被災者」は、今後の生活の再建に向けた方策を、被災地の状況を観察しこれに併行させながら徐々に練るようになる。このときの生活再建の見通しは、①短時間で実現に向かう場合、②可能性はあるもののどれだけの時間を要するのか見通しがなかなかつかない場合、③本人に再建の思いがあっても再建への取組みに着手も話題も出せないような状況とに分かれる。加えてこの時期は、個々人の生活再建の条件の整備状況だけでなく、地域の再建状況と見通しに関しても 検討課題として協議するようになる場合がすくなくない。
しかし一般に「被災者」と言われるこのような場合には、カテゴリーとしての「被災者」の中に、福祉サービスの必要な住民が形式的には含まれていることとなってはいるものの、実態としてはあまり含まれた例がない。桑折(2017)や西澤(2020)の報告においても、部分的な内容の確認となっている。なぜなら福祉サービスの必要な被災者の多くは、発災後に地域社会から転出し、地域での生活再建が叶わなかった事例が見受けられるのである。災害に対する社会福祉の役割としては、2013年5月の日本学術会議社会学委員会社会福祉分科会提言があり、これを受けて各種の取組みがなされてきている。
そこでここでは、災害時の福祉対応のあり方として、生活再建や地域再建に向けた福祉支援のあり方に関して検討する。