少子高齢化および人口減少が進む今日、地域の繋がりが希薄化してきており、加えて後継者難、会費収入減、住民負担の増などの厳しい状況が顕在化してきている。そのような中で、近年は地域福祉の推進が叫ばれてきており、国の政策としても取り組まれるようになり、社会福祉法も改正された。しかし地域住民においては、地域福祉活動のノウハウの蓄積が進まず、加えて新型コロナウィルスの感染拡大予防の観点から活動にも制限が加わり、地域福祉活動を取り巻く背景が厳しさを増している。そのためこの状況を打開し、如何に活動を推進していくかが課題となっていることから、その活動を展開すべき手法についてとりまとめた。
内容としては第一部として脆弱化するコミュニティについて各種資料に基づいて解説し、福祉の地域づくりへの取組みの方向性を説明した。続いて第二部として福祉の地域づくりの取組みについて4つの基本原則、地域活動の構成要素として活動の基本事項、担い手、対象者について説明した。第三部として地域活動の展開について説明し、実施手順として企画手順、予算、住民負担の軽減方法、地域づくりの対応を述べ、次に実践事例として山形県上山市の「中川福祉村」を紹介し、最後に今後の地域福祉の取組みに向けた基本的な考え方を述べた。