本研究は、実学臨床教育を受講する95名の学生がどのような意識で学んでいるのか、また、大学入学時に描いた社会福祉・教育現場の印象がどのように変容しているのかを明らかにし、これからの教育プログラムのあり方を検討した。その結果、この教育プログラムで得られた学びは「コミュニケーション能力が高まった」や「現場を理解した」などが挙げられた。学生は、長期にわたる継続した実習や学習から、大学入学以前までの体験や学習からは得られない社会福祉・教育現場の理解につながっていることが明らかになった。この教育プログラムは、社会福祉・教育専門職として必要とされる知識や技術ばかりでなく、福祉・教育分野のこれからの方向性や自己の在るべき姿を探ることに重要な意味をもっていることを述べた。
阿部利江、千葉伸彦、佐藤泰伸