本研究は、A特別支援学校に通う児童が地域で生活をしていくために必要な地域生活支援への考え方と実態を調査から明らかにし、これからの地域生活支援のあり方を検討した。その結果、教員、保護者、地域福祉サービス事業者の三者とも地域生活の意義や必要性は認めるものの、障害のある子どもが地域で生活していくことは困難だとする回答が多かった。そして、約7割の児童が社会福祉サービスを利用しており、学校、家庭、地域福祉サービス事業者間の「連携」を必要とする声が高かった。今後、地域生活を豊かにするための支援のあり方として、多くの機関が垣根を越えて共有する個別支援計画が必要であり、関係機関が連携し合う支援システムを構築が求められると述べた。
阿部利江、三浦 剛