【目的】スクワット重量とパフォーマンスは関連すると報告され,パフォーマンスの改善を目的にスクワットトレーニングがよく実施されているが,単関節の筋力との関係は明らかではない.今回,スクワット重量と膝関節および体幹の等速性筋力との関連を検討し,スクワットトレーニングを効果的に実施しパフォーマンスの向上につなげることを目的とする.
【方法】対象は大学硬式野球部選手59名. 等速性筋力はCybex770-Normを用い, 膝関節屈曲・伸展,体幹屈曲・伸展のピークトルクを測定. 角速度は膝関節60,180,300deg/sec, 体幹30,60,90,120,150deg/secとし,練習後に3回ずつ測定. スクワット重量は5回連続実施可能な最大重量を測定. 統計解析は体幹屈曲・伸展,膝関節屈曲・伸展の等速性筋力とスクワット重量について相関を検討(有意水準0.05).
【結果】スクワット重量と膝関節伸展の相関係数は, 角速度60,180,300deg/secにて, 軸足0.643, 0.513, 0.482, ステップ足0.520, 0.436, 0.433(すべてp<0.01). 体幹屈曲,および,伸展との相関係数は角速度30,60,90,120,150deg/secにて0.625,0.544,0.516,0.579,0.597および0.493,0.516,0.504,0.507,0.499(すべてp<0.01).
【結論】スクワット重量は,膝関節伸展,体幹屈曲・伸展の等速性筋力と関連する.
黒木薫⁾,金澤麻衣,能勢康史,永富良一