医療スタッフ間のコミュニケーションが医療安全にどのように関係しているか、インシデント情報を共有するにあたり相互のコミュニケーションが果たす役割について検討を行った。7施設の医療機関の職員を対象に質問紙調査を実施し(2010年)その結果を解析した。職種別のコミュニケーションスコアの比較では、放射線技師、臨床検査技師が他職種と比べて低い結果であった。どの職種でも職員相互、患者、家族とのコミュニケーションが医療の安全に関係しているという認識されていることが分かった。インシデントの改善策の周知割合がどの職種でも60%前後であった。コミュニケーションが良好に図れている人は、インシデント改善策の情報の共有が図れているという有意な関連性が明らかになり、日頃から良好なコミュニケーションが図れるような職場環境作りが重要となることが推察された。
二瓶洋子、小山美智子