本研究の目的は,奇異行動を繰り返す統合失調症患者(以下 A 氏)へ『褒める声かけ』を行うことによって,思い の表出や情緒の安定をもたらし症状コントロールに繋がるかを明らかにし,看護実践の示唆を得ることである。B 病院 C 病棟看護スタッフ全員で『褒める声かけ』を実施,プライマリー看護師が A 氏との定期的な面談実施,実施期間を 1 期~4 期に分けて,A 氏の強み,精神的な変化や行動の変化を分析した。 分析結果から,『褒める声かけ』を意識し継続的に行うことによって,患者と看護師の間に良い効果をもたらしたこ とが分かった。また『褒める声かけ』により発見した強みをフィードバックすることは,患者の自尊心や自己肯定感の 回復に良い影響をもたらし,症状コントロールに繋がる看護実践となる可能性が示唆された。