健康科学部ボランティアチームは、東日本大震災直後から地域住民の生活が安定した後も継続的に活動を継続してきた。活動に参加した人数は延べ1200人を超え、活動回数は計301回、5年以上であった。その活動を振り返り、いつ起こるかわからない今後の自然災害に向けて、伝えたい経験を実践報告書としてまとめた。まず、地域住民に期待される活動は、時期やフィールドによっても異なり、地域性を踏まえたうえで計画する必要がある。実践活動において、関係機関との連絡調整、ボランティア人員の確保と安全管理、支援の方向性などが重要な因子となる。ボランティアには学生も参加していたが、学生の積極的関与を促すと同時に学生の精神的な影響にも配慮する必要がある。地域住民との信頼関係構築のためには、定期的・継続的な活動、専門職者としての責任感、臨機応変な対応が求められる。