講義で学んだ「子どもの権利」の内容を小児看護学実習おいて学生はどのように考察しているのかを、「小児看護領域でとくに留意すべき子どもの権利と必要な看護行為(日本看護協会、1999)」を基にして検討した。結果、一番多かったのは、『説明と同意(51名)』であり、以下『教育・遊びの機会の保証(25名)』、『家族からの分離の禁止(24名)』などあった。そこから、学生が「子どもの権利」を考察するにあたり、コルブの経験学習モデルでいう「具体的な経験」から「内省的な観察」をすることで、「抽象的な概念化」のプロセスをたどっていたことが示唆された。実習において、「子どもの権利」についての考察を深化させる際には、学生が援助に参加する機会を増やし、実際に場面を見学・実践することはもちろん、レポート記述により客観的に自身の考えをまとめ、さらにカンファレンスで振り返り、学生同士で共有することへの支援も必要であると考える。
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富澤弥生、鈴木千明