東日本大震災後約4年の歳月を仮設住宅で過ごしている高齢者を対象に、仮設住宅のある地域に対する態度や意識を明らかにすることを目的とした。対象は、住宅を失うなど大きな津波被害があったため仮設住宅で生活している地域の仮設住宅居住者と津波被害のなかった地域で、震災後も自宅で生活している高齢者であり、研究方法として、まちづくりに対する態度や意識をとらえることができるコミュニティ意識尺度を使用した聞き取り調査を行った。その結果、仮設住宅居住者のまちづくり意識は、自宅で生活している居住者に比べて〈自己決定〉意識、〈他者依頼〉意識が有意に高いことが明らかとなり、その意識は仮設住宅における自治意識の高さや、復興計画への関心の高さによるものであることが推測された。
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一ノ瀬まきの、富澤弥生、中村令子、鈴木千明、三澤寿美