研究の目的は、学生が講義で学んだ「こどもの最善の利益」を病院実習においてどの場面で実感しているのかを明らかにすることにある。小児看護学実習を終了した学生の実習記録3年分を質的方法で分析し、その結果、96.9%の学生が実感できており、「説明と同意」の場面が多かった。とくに、日常的なケアの場面を挙げている学生が多く、そのことから、ケアの場面は、看護技術に関することだけではなく、同時に「こどもの最善の利益」についても考察させる機会としても有効である。そのためには、実習指導者と教員が連携することが重要であると示唆された。この研究は、今後の講義および臨地実習指導に役立てることができると考える。発表では、倫理的な配慮に関する指導方法に関して、多数の教員と意見交換することができた。(本人分担:研究全般において中心的な役割を果たした)
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鈴木千明、富澤弥生