発達傷害のあるこどもの母親4名を対象に半構成的面接法を用い質的記述的方法で分析した。結果、幼児期ではADHDの症状である多動性・衝動性による困った行動が顕著にみられ、母親にとっては集団行動に関する悩みが多い時期であった。それに対し、学童期では学業不振から自尊心の低下がみられ、周りとの繋がりを自ら絶っている可能性が示唆され、発達障害の特徴である衝動性は、暴力・暴言に連鎖することが推察された。したがって、幼児期と思春期の相違点から、発達段階を考慮して対応を変えていく必要があると示唆された。
p.72
鈴木千明、富澤弥生