発達障害のある子どもの母親4名に半構成的面接法でインタビューを行い、得られたデータを質的記述的方法で分析した。結果、<子育ての勉強から得られたもの><子育てを通した出会いに感謝><こどもは自分の人生そのもの><自分の人生に得られた課題><母親としての幸せ><子育ての苦悩と葛藤>の6つのカテゴリーが抽出された。発達障害のある子どもの母親は、子育てにおいて多くの苦悩と葛藤に直面しながらも価値観の変化を見出しており、母親の人生において子どもの存在が大きく影響していた。支援者は、母親の思いを十分に把握したうえで、頑張りを認め、個別に配慮することが重要であると示唆された。また、母親同士の関係構築において仲介役を担うことも有用であることが推察された。
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富澤弥生、鈴木千明