「(研究資料紹介)静岡市立芹沢銈介美術館所蔵「種子曼荼羅」」(査読付き)
種子曼荼羅とは、仏・菩薩を梵字で象徴的に表した曼荼羅であり、密教における「文字曼荼羅(法曼荼羅)」に分類される。日本では平安時代以降、梵字悉曇の研究とともに発展してきたものであり、鎌倉時代から江戸時代にかけて作例が残る。その中で、静岡市立芹沢銈介美術館本の「種子曼荼羅」は、金剛界曼荼羅の一種であり、九会のうち成身会のみを素朴な朴筆による種子(梵字)で描いている。本図はこれまでも鎌倉時代の制作とされてきたが、画面に貼付された押紙の筆跡を分析することで制作年代について考察することが可能となり、中世の「種字曼荼羅」とすべき新たな根拠を示した。
『東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館年報』16号