論文

基本情報

氏名 門脇 佳代子
氏名(カナ) カドワキ カヨコ
氏名(英語) Kadowaki Kayoko
所属 教育学部 教育学科(中等教育専攻)
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

「芹沢銈介、布文字成立の道程―「梵字愛染明王」の再検討を中心にー」(査読付き)

単著・共著の別

単著

概要

芹沢銈介の「布文字」と呼ぶ一群の作品は、翻る長い布が文字へと変化する独創的な表現で、昭和35(1960)年より盛んに作られた。布文字が登場する昭和30年代は、人間国宝となった芹沢が旺盛に作家活動を行った時期であり、他に飛白体を想起させる「福の字」(昭和33(1958)年)や「梵字愛染明王」(昭和34(1959)年)が制作されている。「梵字愛染明王」の制作年については、従来昭和22(1947)年とされてきたが、昭和34(1959)年2月14日に柳宗悦へ宛てたハガキの中で制作中の作品として取り上げており、さらに同年2月24日~3月1日にかけて開催された第1回无文会展への出品が確認できる。また同年5月11~17日に開催された柳宗悦先生書軸展では、柳の書の下絵を担当しており、その図柄のいくつかに梵字を取り入れている。東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館には、芹沢の練習とみられるかすれ描きの習作や梵字下絵が残されており、それらを含め発表作品を時系列に並べてみると、芹沢銈介の布文字成立には、飛白体や梵字の習得が前提にあったことがより明確になる。
pp.61-74

発表雑誌等の名称

『東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館年報』8号

発行又は発表の年月

201706