五百羅漢の顔の写真を提示し表現している感情の判断を被験者に求める、という実験を通し、五百羅漢の表情認知の特徴とその構造を考察した。実験の結果を多変量解析することによって、五百羅漢の表情認知における基本次元は、人間の感情における基本次元とある程度対応することが判明し、基本次元とそれに対応する表現の物理的特徴との間にも、人間における感情と顔面筋の活動との関係に類似する傾向が窺われた。五百羅漢の表情認知には、人間のそれと共通する特徴が指摘される。
pp.1-14
福地佳代子、松村奏子、孫榮琁、近江源太郎