質問紙調査を通して、保育士がとらえるクラスの状態と、クラス内の子ども同士、及び障害児や「気になる」子どもと他児との関係づくりの困難さとの関連について検討を行った。その結果、活動の切り替えや準備が円滑であり、集団での遊びや役割を楽しむ子どもの姿が多いほど、子ども同士の関係作りを意図した関わりがより容易になることが示唆された。また、他児に対して肯定的な関心や態度を示す姿が多く見られるほど、子ども同士の関係作りがより容易になる一方で、遊びなどの際に子ども同士でかかわるメンバーが比較的固定している際に、子ども同士の関係作りがより困難になることが示唆された。さらに、年度の初期では、子どもたちが集団活動に円滑に入っていくための保育の工夫が、障害児や「気になる」子と他児との関係づくりにおいても重要になることが示唆された。