目的は、死別における遺族の自責内容の明確化することである。配偶者喪失、親、祖父母、義祖父母との死別体験者を対象とし、記述された内容をカテゴリーに分類する質的研究を行った。結果、対象者は45名(男2人女43人)平均年齢47.3歳SD11.0)享年65.5歳(SD13.3)であった。死後の経過は10.7年(SD9.6)であった。コードは46コードであり、カテゴリーは8コード、コアカテゴリーは3抽出された。コアカテゴリーでは、感謝を伝えることや、ある場面において出来たらよかったことやその時に取った行動をしてしまったと思っているなど、【出来なかった・してしまったという自責】や死の原因や、苛立ち、負い目といった【遺族の思い感情】、今後の生き方や家庭内共感、愛他性という【これからのこと】が挙げられた。
愛他性では、遺族は「自らと同様の境遇者を助けたい」という思いを表出し、回復の兆しを示すと共に注目したい内容であった。
p25 宮林幸江 小野木弘志 戸田恭子 工藤洋子