グリーフケアプログラム(悲嘆研修)の導入で、前期高齢者に生きる事となくなることの意味を考えてもらう機会を設定し、万が一を想定して遺書を記述した内容を内容分析した。参加者は11名(男性1名、女性9名 不明1名)。平均65.8歳。64コード、7カテゴリーに分類された。多い順に1.「願い」22ケコード(以下略). 2.「感謝」(13). 3.「現実のこと」(11). 4. 「回顧」(6). 5.「これから」(5). 6.「詫び」(4). 7.「向こうの世界(天国)」(3).であった。その中でも<回顧>は2種類1)子ども時代.納得のいく生き方だった。 2)いろいろあったが幸せだった。大変な人生だった等<現実のこと>では,[生きる(どう生きるか途方にくれる,助け合って生きた,亡き人を忘れず生きている][家族力][子供の力][生活(食事大変,書類,貯金)]等に分類された。行動化した過去の長い人生に及ぶ客観視の行為が回顧である。感謝の内容にやはり人生を“生きとし生きた”様子が窺える。その行為が残る家族に希望や願いとして伝え継がれていた。
p202 (P1-315)
宮林幸江 工藤洋子