近年、意識障害(DoC)患者の意識検出方法は、認知課題に対する神経画像反応などの中枢神経系反応だけでなく、心拍数、心誘発反応、瞳孔径などの末梢神経系反応にも注目され始めている。本発表の目的は、現象学志向のケアに基づきベッドサイドで患者家族を含む臨床医が望む意識検出法と、大脳皮質における実際の神経画像反応に基づく意識検出法との間に感情的な断絶があることを示すことである。 UWS/PVSの診断後の「治療的ニヒリズム(Fins 2005)」を克服するためには、行動評価の繰り返しとエビデンスに基づいたガイドラインが必要である(例えば、Seelら2010; Wannezら(AAN)2017; Giacinoら(ACRM)2018)。
UWSの誤診率が高く、MCSとUWSの鑑別が困難な場合でも、無理に鑑別しようとすると、ケアの質に影響を及ぼす可能性がある。
診断の正確さは、適切なケアプランを立案し、正確な予後を確立し、介護者に適切な情報を提供するために極めて重要である。(Giacino, Fins, Laureys and Schiff.)
同時に、日本の特徴である(スピリチュアルではない)意識の有無の経験的説明と、西洋の特徴である意識の有無の公理的説明の両方が必要である。したがって、現象学的看護は、現在の臨床的定義に基づいた診断に到達するための一助となる。西村(2001)の議論は、このプロジェクトに役立つだろう。