悲嘆に苦しむ遺族が「傾聴」対応にて対象者の考える力を回復し、悲嘆の終結に向かった内容について、質的帰納的分析を行い、明らかになった内容を報告した。分類ではコアカテゴリー5つ「思慕」「うつ的様相」「対処(適応対処の努力)」「感謝の念」「スピリチュアルペイン」であった。対象は同じ訴えを何度か繰り返し、やがて意味解釈を付す「認知的な思考法の形」が特徴である。ケアの聞く力は混乱を整理し、解決への道を開く機会を提供した。開始時の「人のため世人のため」、「死後は」文言は死別を経験“失うことで得られる”遺族ならではの言葉である。介入の前後は悲嘆尺度、健康・うつ尺度にて確認し、3尺度に有意差がみられた。