高齢者が介護を受ける際に「迷惑をかけたくないと思う意識」について文献検討を行い今後の研究の方向性について示唆を得ることを目的とした。結果をコード化し類似性に従ってサブカテゴリ、カテゴリ化し質的に分析した。【結果】7サブカテゴリ<身体的精神的な衰えと予期的不安><老いと向き合う><役割を失い依存することへの罪悪感><家族関係を壊したくない><死後の世界に対する不安と自分の死後の未来への考え>が抽出され4カテゴリは<老いとの自己対峙><役割の喪失><自分の尊厳を守る><他者からの介護を受ける気兼ね>が挙げられた。高齢者の迷惑をかけたくない意識には、「自律」の欲求が根底にある可能性があり、少なからず介護経験の有無が左右していること死生観も影響しており「亡くなった後の状況まで思いを巡らせ、残された家族が苦労しないように」という「気遣い」から死の準備を行っていることや、亡くなった後「いい人間であったと振り返ってもらえる」という最期まで自分の尊厳を守りたいという願いがあると考えられた。
〇工藤洋子 木村涼子(仙台赤門短期大学)第41回日本看護科学学会学術集会 Web開催 2021.12