ケアプラン作成においては、作成根拠となる課題分析の実施が必須となっている。
介護保険法における「サービス計画書」は、「居宅サービス計画書」と「施設サービス計画書」に分類されており、「高齢者入所施設」においては「施設サービス計画書」が策定されている。そして、これらの計画書は、すべてアセスメント結果に基づき策定されており、「高齢者入所施設」の多くは、「施設サービス計画書」(内容としては介護中心)のみを作成しているというのが通常である。
「高齢者入所施設」は、入所者の要介護認定度に応じて介護報酬が支払われる仕組みになっている。この介護報酬は「高齢者入所施設」において1ヶ月間生活する上で、利用者が必要な施設からのサービス提供に対して支払われているものであり、その内容は、実際に提供される介護サービスを含んではいるものの具体的内訳が示されてはいない。特に、「余暇」部分に関して、すなわち利用者本人の楽しみ(例えばレクリエーション等)に関しては、「高齢者入所施設」は「生活施設」と呼ばれてはいるものの、施設によって「余暇」の部分に関してのサービス実施内容や考え方には大きな差が生じている。入所者個人の「余暇の充実」に関するサービス提供が、介護保険法においては、介護報酬内に含まれている。ただし、「施設サービス計画書」の多くは「介護サービス中心」に策定されているのが現状である。
そこで、本研究においては、「高齢者入所施設」が「生活施設」と呼ばれてはいるものの、入所者個人に対する「余暇の充実」が十分に図られていないという現状を踏まえ、施設で生活する高齢者もまた、在宅生活者と同様に「余暇面」の充実を図る必要があると考え、そして、本人の希望する「楽しみの実現」は施設の果たすべき役割であるとし、施設入所者の余暇面の充実を図るために「高齢者入所施設」における「余暇面アセスメント・シート」および「施設余暇計画書」の作成を試みた。
今回は、第一報として「余暇面アセスメント・シート」と「施設余暇計画書」を独自に作成してみた。
P209-220