介護保険法における「サービス計画書」は、「居宅サービス計画書」と「施設サービス計画書」の2種類であり、「高齢者入所施設」では「施設サービス計画書」が作成されている。そして、ひとつの特徴として、多くの「高齢者入所施設」においては、「施設サービス計画書」は、「身体介護中心」の「計画書」が作成されているという現状がある。
また、「高齢者入所施設」が「生活施設」と位置付けられるのであれば、「高齢者入所施設」の「入所者」は施設での「生活者」と言える。「生活者」であるとすれば、そこで作成される「施設サービス計画書」は、「身体介護中心」の「計画書」だけでは不充分であると言えよう。「生活施設」である限りは、そこには、利用者にとっての「楽しみ」や「希望」、「生きがい」等も存在しているはずであるから、「サービス計画書」作成の際には、これらの改めてのアセスメントの実施、そして「サービス計画書」への取り入れが充実した施設生活を送る上でも必要になると考える。
以上を踏まえ本研究においては、「身体介護中心」の「施設サービス計画書」に、施設生活で重要視されなければならない、利用者が希望する「余暇」を取入れるためには如何なる方法があるのだろうか。最終的には「余暇」」に関する「アセスメント・シート」の開発と「余暇支援計画書」の作成を目的としているが、今回は、その第1段階として、現状の「アセスメント・シート」の内容が、どの程度「余暇」に関して、ニーズ抽出が可能であるのかを分析してみた。