本研究の目的は、重症心身障害児をもつ母親らや地域関係者と共同で参加型アクションリサーチを行い、社会へのアクションを起こすメンバーとして母親らを組み込みながらエンパワメント支援を進め、母親へのサポートモデルを開発することである。
具体的には、重症児をもつ母親へのライフストーリーインタビュー調査、フォトボイス、アンケート調査などの手法を用いて、これまで調査対象者とされてきた子どもや母親らを主体、「共同研究者」としてリサーチのプロセスに参加してもらったうえで、リサーチ結果をさまざまなアクションに結びつける参加型のリサーチを行う。地域におけるネットワークの現状を明らかにし、重症児の地域生活における相談支援およびソーシャルワークの機能を併せ持ったサポートシステムのモデルを構築する。今後は母親同士のピアサポートやソーシャルアクションの仕組みを構築し、生活の質向上の取組みを順次行う計画である。