母親らが主体となりピアサポートの仕組みを構築するため、音楽コンサートを通じた子ども、母親。家族の交流を目的に実施した。また、アンケート調査の実施を行い、母親らの子育ておよび社会的サポートネットワークの現状について把握を行った。音楽コンサート実施にあたり、障がい児を対象としたイベントに対する助成を行う外部団体の助成金に申請書を提出した。研究費の一部を充当する予定であったが、母親らの意欲や母親を主体としたイベント実施という目的の完遂のため、助成金の申請となった。助成金の獲得後は、母親らの役割分担がなされ、準備が順調に進んでいくこととなった。準備の過程において、母親らのグループの発展や成長の姿が観察され、母親同士のピアサポートやエンパワメントを実現する機会となり得たと考えている。また、母親らが年2回に定期的に企画および運営する、「母親と子どもの遊ぼう会」において、音楽コンサートに参加した子どもと母親が新たにグループに加入し、共に活動することとなった。目的としていた母親同士のつながりを創ることが実現した。
母親らを対象とし、アンケート調査を実施した。重症心身障害児とその母親を対象とした、生活実態とニーズ調査のための調査とし、調査項目の内容としては、子どもと母親の生活状況、福祉サービス等の利用状況、生活上の困難さ、制度や福祉サービスに今後求めたいこと、等を中心に項目を設定した。調査は平成29年2月に実施した。調査結果は下記に記述した。主たる介護者は母親が担っている結果となり、就労意欲は高く、子どものサポート体制が充実した際には就労希望のある母親が多い。母親の周囲の人のサポート状況
については、精神的サポートを受ける環境があるが、手段的サポートが得にくい状況である結果となった。相談支援については、具体的な相談先が確保できておらす、現在も相談支援を受けていない状況であることが示唆された。