研究活動

基本情報

氏名 千葉 伸彦
氏名(カナ) チバ ノブヒコ
氏名(英語) Chiba Nobuhiko
所属 総合福祉学部 社会福祉学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

見出し

「重症心身障害児をもつ母親の社会的支援ネットワークに関する研究」科研費 2011年度 若手研究(B)(平成23~25年度)

概要

重症心身障害児(以下、重症児)とその介護者である母親に関するサポートネットワークの構造と課題について母親らの語りから明らかにすることを目的として、重症児を持つ母親4名を対象に半構造化面接を実施した。母親らのライフストーリーは、過去から現在へ、子どもの「出産から退院まで」、「自宅での生活のはじまり」、「病院や障害児通園施設における出会い」、「学校生活のはじまり」、「現状」というように時系列に展開していた。また、母親が獲得していたサポートは、乳児期から幼児期にかけて「出産後の医療
関係者」、「地域における信頼できる専門職」、「重症児をもつ母親ら」からのサポートを獲得し、その後に「母親同士の情報交換と精神的サポート」を獲得している結果となった。
母親らのライフストーリーから、子の出産から現在までのサポートネットワークの構造を整理した結果、乳児期から児童期、そして現在に至るまでに、共通している点はソーシャルワークや相談支援機能の充実が必要となっていることである。子どもの出産後からの入院生活、そして退院後の在宅における生活を継続してきた過去、そして現在においても、ソーシャルワークや相談支援が十分にその機能を果たしていない状況が見受けられる。実際には、母親自らが重症児の生活全てをマネジメントする実施主体となっており、重症
児とその母親を取り巻くサポートシステムの構築や支援を統合する相談窓口を確立する必要性があると考える。